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      【 最先端ビジネス、企画と構想への道】    2005/7/15
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【INDEX】


□ ■ 廃園寸前から、V字型回復、日本一になった「旭山動物園」 の秘密
        【あるべき未来ビジョンからの成功戦略】
□ ■ サンリオ子会社のロボットメーカー「ココロ」
        人型ロボット「アクトロイド―DER」のレンタル事業開始
□ ■ 勝つための心の姿勢、目ざめの一言



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   ◆廃園寸前から、V字型回復、日本一になった「旭山動物園」 の秘密◆        
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【あるべき未来ビジョンからの成功戦略】


昨夏のアテネオリンピックから一年がたち、2008年の北京オリンピックも、近づ
いてきたが、次の次のオリンピック、すなわち2012年のオリンピック開催地がロ
ンドンにようやく決まった。しかし最有力候補のパリを破ったロンドン市民の勝利
ムードも、例の同時多発テロ事件によって一瞬のうちに消えうせてしまった。誠に痛
ましく残念である。事件後になってしまうが、活躍しているのが監視カメラで、ロン
ドン市内の地下鉄に6000台、バスに5200台が設置され、英国内のカメラ設置
数では、トータル、約420万台が設置されているという。この監視カメラが犯人特
定に結びついたようだ。。監視カメラの進展は、ユビキタス時代のひとつの象徴のよ
うでもある。


さて、オリンピック開催が決まったロンドンは、テロ事件のマイナスの話題に負けな
いで、またぜひ、見ごたえのあるオリンピックを開催して欲しいものである。


ところで、アテネオリンピックでは、ご存知のように、数々の感動のドラマがあった。


とくに、金メダルの裏に、選手たちの並々ならぬ、どん底のような体験があることを
知る時、その精神力をたたえ、一緒に美酒を味わいたい気持ちになる。野球でいえ
ば、逆転満塁サヨナラホームラン。追い詰められて、ほとんど勝利の望みがなくなっ
ても、わずかな可能性にかけ、そして、見事、勝利を獲得したシーンなどは、私たち
に大きな感動を呼び起こす。。。


ビジネスの世界でいえば、プロジェクトXなどに取り上げられる事例を見ると、思わ
ず感動し涙することもある。。。


さて、日本の最北ともいえる、北海道・旭川の旭山動物園で、
動物本来の野生の能力を引き出すユニークな展示手法「行動展示」と呼ばれる独自の
アイディア、「ありのままの動物の動きを間近で見ることができる」が人気を集め、
昨年の年間入園者数は133万7398人で、過去最高を記録した。(前年の1・6
倍以上)
昨年6月に完成したあざらし館でアザラシが円柱型の水槽を泳ぐ様子が人気を博した
こともあって、つづく、7、8両月の月間入園者数は上野動物園(東京都)を上回っ
て全国1位となった。


カネも目玉動物もなく、田舎の弱小動物園であり、施設も老朽化し経営母体の旭川市
からの予算も雀の涙ほどだった旭山動物園。その破綻寸前だった弱小動物園が成し遂
げた奇跡のV字回復・・・ 学ぶべきことは多いはずた。たとえば、宣伝がうまかっ
た、企画がよかった、着眼点がよかった、、、という程度のものではなく、もっと、
大切なビジネスのヒントがあるに違いない。。。



▼旭山動物園のホームページ
http://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/files/asahiyamazoo/index.html
http://www.hokkaidotour.net/special/asahiyamazoo/


現在の旭山動物園の特徴は、通常のサファリパークといった野性的な展示方法などに
みられるような「園」を豊かにするのではなく、「動物の生活」を豊かにしようとい
う試みであるという。たとえば、水中トンネルで360度からペンギンの泳ぐ姿を展望で
きる「ペンギン館」、ペンギンが素早く泳ぐ様を見られるのは新鮮な驚きだ。また、
地上17メートルの高さでオランウータンが綱渡りを繰り広げる「空中運動場」、去年
出来たばかりの「ホッキョクグマ館」はなどが、爆発的な人気を呼んでいるという。



では、こうしたアイデアはどのように形になってきたのであろうか。


先述したように、十数年前、旭山動物園は客足が伸びず、閉園の瀬戸際まで追い込ま
れていた。旭川市議会では、年間4億円も経費がかかるので、不要論などもあった。そ
んな中、閉塞感を打破しようと、飼育展示係長ら数人の若手職員が14枚のスケッチを
描いていった。そして、そのスケッチの中に、飛躍の秘密が隠されていたのであった。


彼らはまず、お金をかけずにできることからはじめた。それは、動物園はこんな素晴
らしいところだよ、ということをいかに発信していくかを考えた、という。


彼らは閉園後の園内で、飼育係や運営人などでアイデアを出し合い、
理想の動物園像を1枚1枚スケッチに書いていった。そして、その数は、14枚となった。


たとえば、
・飼育係による「ワンポイントガイド」
・小学生を集めての「サマースクール」
・動物の情報を伝える手書きの「情報板」の設置、、、、
といったものである。


このように、旭川動物園は、お金がなくてもできることからはじめた。 


それは、子供たちが感動する理想の動物園のビジョン、言い方を変えると、あるべき
未来ビジョンづくりから始まったのだ。


そしてスタッフたちが、アイデアを出し合い、実現したい世界を何度も何度もスケッ
チし、ビジョンを確認しあい、人事を尽くしていく中で、太陽光がレンズを通って、
紙を焼け焦がすような、信じられない強烈なパワーに結実していったのだ。。


ところで、筆者は、1997年の「ハイパービジネスネットワーク 23号」(AQ
UARIUS)の中で、あるべき未来からのアプローチについて言及し、当時のソ
ニーの飛躍の陰に、あるべき未来からのアプローチがあったと紹介している。


◆Back to the Now from the Future


これは、ソニーの開発スピリットにも通じていた言葉である。未来から現在をふり返り、
未来に向かって、やるべき戦略経営を進めていく。あるべき未来をしっかり描く、と
いうことがポイントである。あるべき未来ビジョンを描き、未来から現在の問題点をと
らえなおし企画していく、という考え方である。


今の中に未来がつながっているのである。
今、このとき、あるべき未来をしっかりつかむことは、あるべき未来を引き寄せ
る、ということにもなる。その意味では、構想力も大切になってくる。成功の要諦の
ひとつは、あるべき未来をいかに、描くかにかかっているともいえよう。



旭山動物園のスタッフの方たちが描いてきたスケッチは、まさに、あるべき未来を示
していた。そして、何度も確認してゆく中で、そこに関係者のベクトル意識が分散せ
ず、あるべき未来につながっていった秘密があったといえるだろう。  
(Katsumasa Koyasu)



▼参考) 「旭山動物園の奇跡」 週刊SPA!編集部編 扶桑社 ISBN 4-594-04935-4
      「ハイパー・ビジネス・ネットワーク 23号」(AQUARIUS機関紙、1997年)




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      ◆ ロボットメーカー「ココロ」 (サンリオ子会社)
         人型ロボット「アクトロイド―DER」のレンタル事業を開始◆        
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 サンリオの子会社、ロボットメーカーのココロは、愛知万博に受付ロボットとし
て、人間そっくりロボットとして出展している「アクトロイド」を改造し、6月2日
からレンタルを開始した。 (「アクトロイド」は活発な24歳の女性キャスターを
イメージ。身長は170センチ、重量は約100キロ。)


「アクトロイドDER」は、レンタル開始にあたり、万博に出展したロボットを簡素
化した。たとえば、リアルタイムでの音声認識機能を外し、機能を動作と音声
のみに絞り込んだ。レンタル料金は基本が5日間40万円から。プログラムのカスタマ
イズ、輸送費など総額では70万円程度になるという。


技術的には、空気圧を調節して動力を得る独自の技術により、機械音もなく、腕など
をしなやかに動かせる。特殊なシリコンゴムを肌に使い、顔の表情も人間に似せてい
る。対話はできないが、事前のプログラムに従って話したり、腕を動かしたりでき
る。(歩行はできない)


 レンタル料金の詳細だが、5日間40万円で、延長料金は1日8万円。設置代10
万円、プログラムの変更費30万~50万円、その他、運送の実費などがかかる。屋
内で電源さえあればどこでも使えとしている。初年度で2000万円の売り上げを見
込んでいる。


※サンリオはかつて、秋葉原の佐久間河岸の第二田中ビルの一階、6畳くらいにあっ
た。まだ無名の会社で、辻氏は、雨が降ると小さな事務所に商品をしまい入れるな
ど、苦労が多かったという。しかし、夢とロマンを持って、大きく企業成長した。A
QUARIUSの事務所も、実は、日の当たらない二階にあった。大きなタイムラグ
はあるものの、まったく同じビルにあった、夢と感動、、ということを大切にしてい
た、という点は同じだ。今日、ロボット情報で出会ったのを考えると、不思議な遭遇
ともいえるだろう・・・。


※ちなみに、名古屋のベンチャーが発売しているハローキティのロボットは、愛知万
博で来場した、マイクロソフトのビルゲイツが、二台購入!
ビルゲイツは、快くサインもした。(彼は、愛娘のために買ったようだ。。。)
ハローキティが国境を超えて親しまれている、ひとつのエピソードといえるだろう。。



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知能型ネットワークカメラと位置情報ビジネス市場に関する調査
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●知能型ネットワークカメラは、ネットワークカメラとしての発展から、よりインテ
リジェント化を高め、画像のほか、音センサ、光センサ、人感センサ、遠隔コント
ロール、、、といったように高機能多機能化してきつつあり、用途展開も広がってい
る。いっぽう、携帯電話、PHSをベースとして、位置検知、位置情報などのサービスが
進展している。このほか、RFID、Bluetooth、無線LANなどが相互に関連しあい、これ
らがより発展していくと、英語圏ではなじみやすい言葉である、高度な、インテリジ
ェントスペースというべき世界が、いたるところで、誕生してくる。(弊社は過去にイ
ンテリジェントスペース関連調査を展開してきた)


●また、携帯電話事業者各社に対して、2007年4月から携帯電話からの緊急通報
発信者位置情報通知機能がもとめられることから、2006年以降「携帯電話GPS
標準搭載」が本格化、GPS機能つき携帯電話による位置情報サービス競争が本格化
するものと見込まれる。知能型ネットワークカメラは、家やオフィス、工場、店舗、
街などの固定型の使われ方から発展し、ロボットのように、移動型の使われ方に進化
していくことが予想される。さらに、自転車、バイク、自動車、、、へと発展し、将
来的には、ウェアラブルとしての(個人の体に身につける)使われ方(代理サービスな
ど、リアルタイムにその人に代わって中継カメラを使って行動する)、といったユニー
クな未来図(ビジネスにおけるワクワクの世界)が描ける。


●当調査では、現在、開発ビジネス進行中のこうした新アプリケーション、新サービ
ス市場において、先進企業べンダーの最新ビジネス開発、50社の事例を取り上げ、今
後の未来戦略として、製品の特徴、自社の優位性、所有技術と開発動向、実績、提携
先、ビジネスモデルの特徴、事業ポテンシャルについて調査取材し、マトリックス分
析による分析を加えることで、進展するユビキタス市場の未来展望を明らかにし、新
たなビジネスモデルを提言するものである。


(※募集締め切り、7月末日)


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(このコーナーに乗せたいので、読者の皆さん、ホームページアドレスおしえてネ。)



http://www.cas.fussa.tokyo.jp/  シミュレーションソフトの開発者
                     大前賞の受賞者・瓜井さんのホームページ
http://www.nhk.or.jp/miraijin/  がんばれ、未来人!漫画家の三神さんが、
                  NHKの経済新番組「ビジネス未来人」のキャスターを務めている


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発行編集人 Katsumasa Koyasu
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